会場レポート ΔDesignArt 2026 デザインアートフェア:LOEWE FOUNDATION Craft Prize 新たな受賞者 Jongjin Park のシリーズ作品が出展!

一見すると異なる領域に見える「デザイン」と「アート」が交差するとき、そこにはどのような火花が生まれるのでしょうか。The Place Taipei(南港老爺行旅)が主催し、DESIGNSURFING(設計發浪) とminari Brand & Culture co.,ltdが企画する「ΔDesignArt 2026」デザインアートフェアは、第3回を迎える本年、「CRAFTING ASIA — Asian Voices on Collectible Design」をテーマに、アジアのクラフト、デザイン、アートの言語が交差する国際的な視座を打ち出します。会期は5月15日(金)から5月17日(日)までの3日間。The Place Taipeiにて入場無料で開催されます。
本展では、17室のホテル客室を、アジア各国の創造的エネルギーを受け止める展示室へと転換します。さらに、台湾、日本、韓国、インドネシアから4名の第一線で活躍する国際キュレーターおよびフェア・ファウンダーを初めて台湾に招き、交流の場を設けます。加えて、アジア最大級のクラフト・ビエンナーレ「Cheongju Craft Biennale(清州国際工芸ビエンナーレ)」による特設展示室を設けるほか、2026年LOEWE FOUNDATION Craft Prize の大賞を受賞した韓国の陶芸家 Jongjin Park(朴鐘鎭)の関連シリーズ作品も間近に鑑賞できます。会場は1階および10階の公共エリアにも拡張され、テーマ展「Object Plaza」も加わります。旅人や来場者の日常的な動線のなかで作品と出会う構成により、観客をデザインアートの魅力的な領域へと誘います。
「『クラフト』から『コレクティブル・デザイン』へ、アジアは語りの主導権を自らの手に取り戻しつつあります。
ホテルという生活のスケールは、デザインアートを単に見られるだけの物ではなく、想像され、使われ、収集され得る生活提案へと変えることができます。」
— ΔDesignArt 主催者 The Place Taipei副総支配人 Roni Hung

ΔDesignArt 2026 メインビジュアル。本年度のテーマ「CRAFTING ASIA」における CRAFTING は、「クラフト」そのものを指すと同時に、「つくり続け、形づくり続ける」という進行形の行為でもあります。アジアが自らのデザインアートの未来を主体的に定義しつつあることを示しています。メインビジュアルもこの精神に呼応し、高彩度のオレンジの背景にボールペンの青い線を組み合わせ、即興的で未修正の創作状態を残しています。本年度が重視する「行為性」と「現在性」を深め、ビジュアルそのものを、ひとつの行為の痕跡として立ち上げています。(画像提供:The Place Taipei)
パブリックエリアとテーマ展「Object Plaza」を組み合わせ、
17室の展示室に台湾・日本・韓国のクリエイターが集結。アジアンクラフトの独自の言語を読み解く
ΔDesignArtの名称に含まれる Deltaは、数学において変数を示す記号です。この小さな記号は、素材、技術、鑑賞の方法といった「変数」をデザインとアートのスペクトラムに加えることで、作品が予想を超えた可能性を生み出し得ることを示しています。初回は「Spectrum」によって創作の境界を開き、2025年は「Pairing」によって異分野の協働の深さと広がりを探りました。2026年はその3年間の蓄積を踏まえ、視線を「アジアの視点」へと向けます。台湾、日本、韓国のクリエイターおよびデザインアート関連ユニットを集めるとともに、4名の国際キュレーターおよびフェア・ファウンダーを招きます。参加者には、韓国の独立キュレーターであり LOEWE FOUNDATION Craft Prize の韓国コミッショナー/専門審査員を務める Hyeyoung Cho、インドネシア JIA Curated 創設者 Budiman Ong、東京のデザインホテル DDD Hotel 創設者であり、ギャラリー PARCEL、デザインアートイベント alter. および EASTEAST_ のファウンダーでもある Yuta Takeda、そして台湾のキュレーター、デザイナー、実践大学工業デザイン学科専任助理教授の ShiKai Tseng が含まれます。本展は、日本、韓国、インドネシアなどがそれぞれ独自のデザインアートの語彙を育てるなかで、台湾がどのように応答し、形成されつつあるデザインアートの地図のなかでどこに自らを位置づけるのかを問いかけます。

ΔDesignArt 2026 には、4名の国際キュレーター/フェア・ファウンダーと Cheongju Craft Biennale が台湾に集い、交流を深めます。左から、Hotel Royal Group CEO 沈方正、台湾のキュレーター ShiKai Tseng、インドネシア JIA Curated 創設者 Budiman Ong、LOEWE FOUNDATION Craft Prize 韓国コミッショナー/専門審査員 Hyeyoung Cho、The Place Taipei副総支配人 洪郁甄、Cheongju Craft Biennale 実行委員長 Byeon Gwang-sub、日本 DDD Hotel 創設者 Yuta Takeda。(画像提供:The Place Taipei)
ΔDesignArt 2026 は、展示の場をホテルの公共空間にも広げます。1階ロビーでは、Sally Lin、Janet Fang、Yen-An Chen の3名が共同キュレーションするテーマ展「Object Plaza」を展開します。「物の群像」をコンセプトに、自然、工業、デザイン、アート、アンティーク、コレクティブルなど、異なる文脈に属する物をあえて並置し、分類もラベルも与えません。来場者に最初に投げかけられるのは、目の前の物は道具なのか、作品なのか、それともコレクションの対象なのかという問いです。その問いを持って上階の各展示室へ進むことで、来場者は自分自身の物の見方に気づきや変化を見出すかもしれません。

ΔDesignArt 2026 は展示の場をホテルの公共空間にも拡張します。1階ロビーでは、キュレーターの Sally Lin、Janet Fang、Yen-An Chen が共同でテーマ展「Object Plaza」を企画します。(画像提供:The Place Taipei)
主展示エリアである12階では、The Place Taipeiの客室が、卓越したクラフトと創造的なインスピレーションが交わる場へと姿を変えます。なかでも大きな注目を集めるのは、台湾で初めて LOEWE FOUNDATIONの許諾を受け、過去に LOEWE FOUNDATION Craft Prize のファイナリストに選出された作家たちの関連作品を集めた展示室「LOEWE FOUNDATION Craft Prize finalists and alumni」です。国際的に重要な同賞のファイナリスト関連作品が、台湾で小規模なグループ展として紹介されるのは、今回が初めてです。同賞は現代クラフトにおける卓越した実践を顕彰する国際的な賞です。韓国のキュレーター Hyeyoung Cho によって紹介された韓国の陶芸家 Jongjin Park は、作品《Strata of Illusion》で2026年LOEWE FOUNDATION Craft Prize の大賞を受賞したばかりです。本展では、同じコンセプトと技法を用いた《Artistic Stratum》シリーズを展示し、キッチンペーパー、白磁スリップ、高温釉を重ね塗りし、積層することで生まれる質感と温度を間近に見ることができます。同室では、Didi NG Wing Yin(香港/フィンランド)の木工作品、Maki Imoto(日本)のガラス作品、Pao Hui Kao(台湾/オランダ)の紙による彫刻も紹介し、本展のテーマ「CRAFTING ASIA」に呼応しながら、アジアンクラフトの豊かな表現を凝縮して紹介します。

過去に LOEWE FOUNDATION Craft Prize のファイナリストに選出された作家たちの関連作品を集めた展示室「LOEWE FOUNDATION Craft Prize finalists and alumni」では、Maki Imoto、Didi NG Wing Yin、Pao Hui Kao らの制作の展開をたどる作品を紹介します(左)。また、2026年LOEWE FOUNDATION Craft Prize 大賞を受賞した韓国の陶芸家 Jongjin Park による《Artistic Stratum》シリーズ(右)も展示されます。(画像提供:The Place Taipei)
韓国から参加するアジア最大級のクラフト・ビエンナーレ「Cheongju Craft Biennale」の特設展示室では、Sun Wooyong、Lee Jieun、An Eunkyung、Pyeon Sojung、Jongseok Lim、Hong Sujoung の6名の作品を展示します。ガラス、漆芸などのクラフトに対する想像力をそれぞれ異なる表現方法で拡張する作品が室内各所で響き合い、互いに、そして環境との対話を生み出します。Cheongju Craft Biennale 実行委員長 Byeon Gwang-sub もオープニングに合わせて台湾を訪れ、ビエンナーレの文脈と精神を自ら紹介します。これにより、ΔDesignArt 2026 にはより厚みのある国際的な意義と交流の厚みが加わります。隣接する展示室では、繊維構造アーティスト Sung Rim Park、金属工芸家 Yoonjeong Lee、3Dプリント・アートユニット Seasoning.objet が集い、韓国現代デザインアートの多様な風景を紹介します。/p>

上段/Cheongju Craft Biennaleは今回、特設展示室を設け、実行委員長 Byeon Gwang-sub も台湾を訪れて交流します。下段/繊維構造、金属工芸、3Dプリントの3名のアーティストによる展示室は、韓国現代デザインアートの多様な風景を示します。(画像提供:The Place Taipei)
台湾のクリエイターからは、真真鑲嵌玻璃研究所が、日常の照明器具から音と映像を伴うインスタレーションへと展開した新作を発表します。伝統的なステンドグラス工芸と新しいテクノロジーによる光の効果を組み合わせ、空間をガラス、光、音楽が融合するSF的な空間へと変化させます。台湾芸術大学ビジュアルコミュニケーションデザイン学科の卒業制作から始まった Clothes.ZIP は、3度目の参加となる本年も新鮮な表現を提示します。過去に古着から制作した絵画作品に加え、新たなインスタレーション作品《Yum Yum》シリーズと小型作品《ALL IN ALL》を展示し、布の可能性を探る新たな世界へと観客を導きます。

左/真真鑲嵌玻璃研究所 展示室。右/Clothes.ZIP 展示室。(画像提供:The Place Taipei)
ブランド ayaᵃ を通じてフィールドリサーチをデザインオブジェクトへと転換する Yen-An Chen と、物質の流動状態と生成過程に注目する Ting-Hsuan Chang は、Neon Lamp Series、Dipping Net Series などの作品を通して、冷たさと温かさ、凝固と流動が共存する領域を行き来します。陶華灼藝廊は、日本の Kazunori Onaka、Yoshihiro Nishiyama、台湾の Wei-Cheng Wu の3名の作品を紹介し、「透明サボテン」を販売する植物店 Sabotensi も加わり、陶芸とガラスの多様な表情を見せます。Archive Curatorial Agency では、台湾のアーティスト CIZ が鉱石、木材、植物のなかに動的均衡を生み出し、「空間の呼吸」をつくります。一方、日本のアーティスト Tamako Yamada は、植物染めの布を通して、物質が大地へと回帰した後の静けさ、すなわち「時間の沈殿」を表現します。硬く落ち着いた外観の奥に、意外な繊細さと軽やかさが潜む両者の呼応によって、展示室のテーマ「Trace and Kinetic」が立ち上がります。

上段/Yen-An Chen、Ting-Hsuan Chang 展示室。下段左/陶華灼藝廊 展示室。下段右/Archive Curatorial Agency 展示室。(画像提供:The Place Taipei)
日本の galerie a の展示室では、細かな布片を用いて動物の姿を再構成するアーティスト Masayuki Kinuta が、「一針入魂」とも言える布彫刻の工芸により、生き生きとした猫たちを目の前に立ち上げます。詩人であり音楽家でもある Enjo Yamazaki は、多様な素材による器に詩の言葉を刻み、言語をより深い感覚的な存在へと変換します。Kana Ueda の陶作品は、有機的な形態と象嵌技法による精緻な彫刻的文様を特徴とし、自然への連想を呼び起こします。JILL D'ART GALLERY の展示室では、アーティスト Iruha Amano によるインスタレーションが見えない引力を帯びたように観客を引き寄せ、あらゆる物事に宿る「姿」と「存在感」を感じさせます。

左/JILL D'ART GALLERY 展示室。右/galerie a 展示室。(画像提供:The Place Taipei)
また、本年度の ΔDesignArt には、台湾のクリエイターによる象徴的な「初」のマイルストーンも複数集まっています。デザイナー Hsiang Han Hsu の展示室では、オレンジ色の炎の光が、多くの来場者の足を止めています。今回発表するのは、Tenderflame と共同で制作した、芸術性と実用性を兼ね備えた新作ファイヤーオブジェです。2026年ミラノデザインウィーク終了後、アジアで一般公開される初の機会となります。展示室では、彼がこれまで歩んできた創作の軌跡とインスピレーションの世界もたどることができます。Sally Lin は、ΔDesignArt において初めて個展形式で長年の創作の文脈を整理し、ベテランデザイナー、教育者、キュレーターが教育と実践の間でどのように感性と生命力を保ち続けているのかを示します。

左/Hsiang Han Hsu 展示室。右/Sally Lin 展示室。(画像提供:The Place Taipei)
デザイナー Yang Shui-Yuan は、既存の日用品の潜在力を拡張することに注目しています。今回は、金属や木材などの工芸を融合した実験的シリーズを初公開し、インダストリアルデザインの語彙から、より創作性を帯びた方向へと展開しています。既存素材の転換を得意とする META Design は、リサイクルガラスを素材とした実験的プロジェクト「時間、温度、現像」を初めて公開します。ガラスが固体から溶融状態へと移行する質的変化の過程を制御することで、標準化された工業製品を新たな意味を帯びたアート作品へと再構成します。「ercoffice + For 3」の展示室では、オランダを拠点とするデザイナー Erco Lai と For 3 Design Studio が共同展示を行います。自然を観察し、模倣することで共生的な循環関係を実現しようとする Lai は、今回初めて台湾企業とのコラボレーション作品を発表し、異なる国や領域を横断するデザインの可能性を探ります。

左/Yang Shui-Yuan 展示室。中央/META 展示室。右/ercoffice + For 3 展示室。(画像提供:The Place Taipei)
「Wuba Yang + nothingshop」の展示室は、アーティスト兄妹による初の共同展示です。長年インスタレーションとキャラクター造形開発に取り組んできた nothingshop(Yang Hsiang-An)は、コンクリートによるミニチュア都市や人物彫刻を、植物の器と組み合わせます。一方、紙による創作を行う Wuba Yang は《Paper Fern》シリーズを制作します。二人は「植物」という共通の生命の文脈を介して出会い、The Place Taipei において、硬さと脆さ、文明と自然、工芸とデザインをめぐる対話を展開します。

Wuba Yang + nothingshop 展示室。(画像提供:The Place Taipei)
10階のパブリックエリアも見逃せません。エレベーターの扉が開いた瞬間から、旅人が行き交い、休憩し、食事をするロビーやレストラン空間に至るまで、ホテルの日常的な動線のなかに心地よいデザインアートのインスタレーションや展示が組み込まれています。日本の HONOKAと台湾の緹花野草によるコンセプチュアルなインスタレーションは、HONOKA の青い花器シリーズ《TRACE OF WATER》と緑の花器シリーズ《TATAMI ReFAB PROJECT》を基礎に、花器、植物彫刻、生活のオブジェをホテル空間と人の流れのあいだに、優雅な気配を立ち上げます。一見すると小さな木々が点在するように見える風景は、藤井製帽による日本のインテリアオブジェクトブランド MOBJE から生まれました。帽子制作という「身体に近い立体物」の工芸が、身体から空間へと拡張され、製帽工芸の現代的な可能性を再び開いています。台湾のアーティスト Hsu Jui-Chien と Chiang Chiao-Chin によって設立された monouno は、アート的思考と実際に使うことのできる家具を結びつけ、建築や環境の美しさに応答するオブジェクトを生み出します。 10階公共エリアの展示は、日本の HONOKA、台湾の緹花野草、MOBJE、monouno など台湾・日本のブランドによって構成され、日常のなかに流れ込むデザインアートの風景をつくります。

10階公共エリアの展示は、日本の HONOKA、台湾の緹花野草(上)、MOBJE(左下)、monouno(右下) など台湾・日本のブランドによって構成され、日常のなかに流れ込むデザインアートの風景をつくります。
デザイン学生のためのアートサロン:Collectible Design の新世代の想像力を探る
The Place Taipei は「デザインスタイルホテル」として、Fun(楽しさ)、Fusion(融合)、Fashion(話題性)を軸とするブランド精神と結びつきながら、キュレーションを通じて台湾の存在感を高めることを目指してきました。また毎年、当初からの理念を継承し、「ΔDesignArt 学生公募」を通じて優れた作品を選出し、「デザイン学生アートサロン」で無料公開しています。これは、デザインやアートを学ぶ学生たちに、卒業制作展以外のもうひとつの開かれた舞台を提供するための試みです。
ΔDesignArtキュレーターであり、DESIGNSURFING/Admira Galleryゼネラルマネージャーの Chad Liu は、今年の公募には非常に多くの応募が寄せられたと語ります。「今回のテーマが、いま台湾のクリエイターや学生たちにとってまさに関心の高い議題であることを示しています。この土地で、学生たちが創意を発揮できる舞台をつくれたことを嬉しく思います。」The Place Taipei副総支配人 洪郁甄 も、今回の公募結果に驚きを示します。「『Crafting/工芸』というテーマのもと、当初はテーマが広がりすぎるのではないかと心配していました。しかし実際には、多様な素材と技術が融合した多くの作品を見ることができました。台湾の学生たちは本当に素晴らしいと感じました。」
本年度参加する4名の国際キュレーターおよびフェア・ファウンダーに加え、これまで ΔDesignArt に関わってきた DESIGNART TOKYO 創設者 Akio Aoki、2025 Cheongju Craft Biennale 芸術監督 Jaeyong Kang による審査を経て、6作品が選出されました。Chang Yun-Hsin の《Bloomi》は、個人の成長経験のなかで竹が担ってきた感情と役割をペンダントライトへと転換し、竹材の物理的特性を深く探ることで、竹ひごが曲線と重なりのなかで持つ張力の限界に挑みます。Lin Yi-Hsiang の《魚兒水中游》は陶を素材に、破損と再構成の過程で生じる生成関係を探ります。割れた状態を受け入れることで、物を新たな構造と視覚言語へと変化させます。Huang Shao-Szu の《From Thrive Within The Soul》は聖書の一節から発想を得た作品で、ホットメルト接着剤を用いて菌糸を模した繊維状の作品を制作し、菌糸の透明で絡み合う質感を表現しながら、繊維を再定義します。

ΔDesignArt「デザイン学生アートサロン」では、本年度選出された6件の優秀な学生作品を展示し、若いクリエイターたちが「CRAFTING ASIA」というテーマにどのように応答するのかを紹介します。(画像提供:The Place Taipei)
Chiu Hsin-Hui の《Afterform - FDM Sculptural Experimental Vase》は、成形、硬化、染色を経て、硬質プラスチックにシルクのような柔らかな皺の形態を与え、熱溶融積層による造形物を「造形の終点」と見なす認識を更新します。Cheng Ya-Wen と Lu Po-Chen の《Lacquer Rhythm》は、漆芸を音響製品とデジタル製造技術に結びつけ、伝統的な漆器を機能性を備えたサウンドバーへと転換します。Lai Pin-Wen と Lai Pin-Yun による《LEAHARD Hardened Leather Experimental Furniture》は、「硬化した革そのものが構造になる」という概念のもと、湿度、温度、圧力、時間といった変数を制御し、手作業で革を成形・定着させることで彫刻的な表情を生み出します。これらの試みは、CRAFTING のもうひとつの意味を示しています。工芸は伝統や過去にとどまるものではなく、新世代が未来へと接続し、創造していくための方法なのです。

左/Chiu Hsin-Hui《Afterform - FDM Sculptural Experimental Vase》。右/Lai Pin-Wen、Lai Pin-Yun《LEAHARD Hardened Leather Experimental Furniture》。(画像提供:The Place Taipei)
4カ国のキュレーターとフェア・ファウンダーが多層的な視点を交わし、アジアのデザインアートの響きに耳を澄ます
ΔDesignArtの会期中、The Place Taipeiでは毎日「ΔDesignArt International Forum」を開催します。毎年多くの参加者が集まる本フォーラムでは、今年も複数の国際キュレーターおよびフェア・ファウンダーが登壇し、5つのセッションを通してアジア各国のデザインアートの思考と動向を共有します。本年度のテーマとしては、5月15日(金)の「共創の力:東南アジアにおけるデザインアート・エコシステムの生成と拡張」、「創造の中心としてのアジア:ローカルな文脈とグローバルな連動」、5月16日(土)の「創作から市場へ:Collectible Design はいかにして可能になるのか?」、「デザインアートの経営方法論:ホテルから展覧会へ、文化システムをいかに構築するか」、そして5月17日(日)の最終講座としてテーマ展から展開する「OBJECT PLAZA|物の価値はいかに創造されるのか?」が含まれます。詳細なフォーラム内容と申込情報は、The Place Taipei公式 ACCUPASS ページをご確認ください。各回のチケットは250台湾ドルです。
また、ΔDesignArtキュレーター Chad Liu は、デザイナー Hsiang Han Hsu とともに、5月23日(土)に「2026 Young Designers’ Exhibition|Border Salon」に登壇します。講演タイトルは「ミラノデザインウィークの視点から見る、Collectible Design とアジアの未来潮流」です。本年度のフェアで生まれた視点と対話を、さらに展開します。参加は無料ですが、別途 Young Designers’ Exhibition の入場券が必要です。実展示に加え、ΔDesignArtのオンライン展示エリアでは、例年通りクリエイターへのインタビュー、国際キュレーターおよびフェア・ファウンダーの視点、映像記録などを集め、デザインとアートを横断する現代的なアーカイブを蓄積していきます。関連内容は、The Place Taipei イベント公式サイトおよび DESIGNSURFING のウェブサイトをご確認ください。
台湾は東北アジアと東南アジアのあいだに位置し、地理的なハブとしての優位性と、文化的な多様性・柔軟性を持っています。そのため、「対話が生まれる場所」となるのに非常にふさわしい場所です。台湾初のデザイナー視点に焦点を当てたアート展示として、ΔDesignArt 2026 は、デザインアートの可能性を具体的な場面へと変換します。本展の本当の魅力は、多様な作品を見ることだけではなく、想像と定義を何度も打ち破ることにあります。展覧会名に含まれる Δ が示すように、私たちは平凡な日々のなかでも、身の回りの物や世界を新たな眼差しで見ることができるのです。
《ΔDesignArt 2026》
■ 会期 / 開場時間:
-VIP・メディア限定プレビュー| 2026年5月14日(木)14:00–19:00
-一般公開|2026年5月15日(金)–5月17日(日)11:00–19:00、入場無料
■ イベント情報:The Place Taipei 公式 Facebook、INSTAGRAM
■ 会場:南港老爺行旅 The Place Taipei
■ 詳細情報:The Place Taipei 公式サイト
■ 主催:南港老爺行旅 The Place Taipei
■ 企画:設計發浪 DESIGNSURFING、minari Brand & Culture co.,ltd







